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理解と律法





■理解と律法
(聖書個所) 「出エジプト 1章 1節〜 4章17節」

「あなた方のうちで罪の無いものが、最初に彼女に石を投げなさい。」 (ヨハネ 8:7)



或る日、イエスは、朝早く宮に上がって神の御言葉を語っておられました。多くの人たちがキリストの御言葉に耳を傾け、御言葉に聞き惚れていました。

 その時、にわかに宮の入り口が騒がしくなりました。人々が驚いて何事かと振り返って見ますと、一団の人たちが一人の女性を引きずりながら入って来ました。彼らの手には石ころや棒切れがあり、引きずられて来た女性の髪は乱れ、服も所々破れており、顔は蝋人形の様に真っ青でした。律法学者やパリサイ人たちは、女性をイエスの前に引きずって来て、「イエス様、この女を姦淫の現場で捕まえました。モ-セの律法によるとこの様な女は石で打ち殺せとありますが、イエス様はどうしますか?」と詰問したのです。

彼らは人生の万事を律法の尺度で理解しようとする人たちでした。この場にいたパリサイ人や律法学者の目は、一人のか弱い女性を見ずに、律法だけを見ていました。その為人が死のうと生きようと関係なく、ただ、「律法」ばかりを押し立てようとしたのです。彼らは律法で人生の全てを理解しようとしていたので、どこへ行っても、他人の過ちばかりを指摘し、他人の過ちをそのまま裁いていたのです。ですから、律法の専門家であるパリサイ人や律法学者たちは、モ-セの律法によると、姦淫した女は石で打ち殺せとなっているので、現場で捕まった女を殺す事だけを考えていたのです。

律法的な基準で生きる人は、いつでも他人の弱点を見てその罪をほじくり出し暴いて、罪に定めます。今日、家庭の不和や不幸の原因が何処にあると思いますか?夫が、妻が、子供が互いに律法の尺度だけで相手を見る為です。夫が妻を律法の尺度で見ると、当然、小言が多い夫になってしまいます。妻を打とうと石を持って帰って来る夫、帰って来る夫に投げる石を準備する妻、社会に向かって石を投げつづける人たち、不和と不幸が必ず伴うのです。彼らが問い続けてやめなかったので、イエスは身を起こして言われました。「あなた方のうちで罪の無い者が、最初に彼女に石を投げなさい。」(ヨハネ8:7)いつも石を投げ様と身構えて居る人、石を投げつける相手を探す人、このような人たちばかりが居たら、家庭や社会は破壊されてしまいます。

ですから、私たちは、「石を投げよ」と言う律法の尺度で全てのものを見ないで、理解と憐れみの尺度で見なくてはなりません。「そう言うこともあり得る」と言う雅量と寛容は、全世界を一つにする原動力です。このような人が居る所は、全ての事が良いほうに向かい、実が結ばれます。ですから、今日も、理解と憐れみと寛容を持って隣人に接する私たちになりましょう。
















マザーテレサ 愛のことば

 
NO.04018