■不正を捨てなさい
「ヨブ記 11章14節」 11:14 あなたの手に悪があれば、それを捨て、あなたの天幕に不正を住まわせるな。
ウオータルー戦争でナポレオンに勝った、世界的な名将ウェリングトン将軍に関しての逸話です。ある日、彼は数人の部下たちを率いて狐狩りに出ました。ウェリングトンは狐一匹を見付けて、素早く馬を走らせて追いかけました。ところが、目の前で狐は高い塀を跳び越えて農場の中に逃げ込んでしまいました。馬はその塀を跳び越えることができませんでした。
『ああ、しまった。』
仕方がなくウェリングトンは向きを変えて、農場の入り口の方に行きました。門から入って、狐を獲ろうとしたのです。ところが、農場の門は堅く閉まっており、その門を守る少年がひとりで立ていました。
『おい、門を開けい!』
『開けて上げることはできません。』
『なんだと?狐が遠く逃げちゃうんだよ。早く門を開けろ!』
『お父さんの言い付けです。ぜったいに開けて上げることはできません。』
少年の強硬な態度に、たいへん腹が立ったウェリングトンは、かっとなって大声で怒鳴りました。
『黙れ!俺はウェリングトン元帥なのだ。分かったか?早く門を開けろ!』
目を丸くした少年は、その場で丁寧にお辞儀をしました。しかし、その少年の答えは意外でありました。
『閣下!そうであっても、門を開けることはできません。』
『俺の命令なのに、だめだと言うのか?』
『はい、そうです。私のお父さんは、閣下のように他人の農場を狩猟の場とする人がいるので、塀をつくって建てたのです。閣下のような、偉いお方が農民の内輪事情を分かってくださらなかったら、大変こまります。』
「うーむ、そうか!」
少年の話しを注意深く聞いた将軍は、うなずいてから、言葉を継ぎました。
『そうだ。お前の言うことは正しい。たとえ狐は逃したが、僕は今日、貴重な教訓を得たぞ!』
ウェリングトンは少年の頭をなでてやった後、部下たちを引き連れて帰って行きました。
「イザヤ書1章15節」に、『あなたがたが手を差し伸べて祈っても、わたしはあなたがたから目をそらす。どんなに祈りを増し加えても、聞くことはない。 あなたがたの手は血まみれだ。』と記録されており、ダビデは、『だれが、主の山に登りえようか。だれが、その聖なる所に立ちえようか。手がきよく、心がきよらかな者、そのたましいをむなしいことに向けず、欺き誓わなかった人。』(詩篇24:3〜4)と詩篇に記録しています。
ですから、私たちが神様の御恵みの中にとどまっているためには、罪悪を遠くし、不正を行わないように気をつけなければなりません。神様は、罪を悔い改めないまま捧げる祈りを忌み嫌われ、心の中に不正を抱いている者には、御怒りをおさめられないお方なのです。
お祈り
全能なる、天のお父様!
私たちの心から、偽りとむなしいものをイエス様の血潮で洗い清めてください。 不正を追い払ってくださり、正しい霊で新しくなるように助けてください。
イエス・キリストの御名によってお祈り申し上げます。アーメン!
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