道しるぺ相場格言人生訓みことばお説教マザー・テレサ



前へ    次へ

  (No.2)

自らを制し治める人
当たり前の事を行う
失敗を肥やしにする
信じ切ること
言葉は命をもつ
自らの場所を知る
知恵は活かすもの
本物を見る
感謝は成功を生む

継続は勝利のもと
生きて働くことば
兆しを捉える
本当の価値とは
勝利者の共通点
心のゆとり
変化をつかむ
危機管理
賜物を活かし用いる



当たり前の事を当たり前に行う

 



相場に限らず、色々な分野で成功した人にその秘訣を聞きますと、大部分の人に共通する言葉は、「なにも特別な事はしていません、当たり前の事を当たり前にしただけです。」と返ってきます。

確かに、人と違った事をして大成功した人も数多くいます。奇抜なアイディア、想像を超えた商法など、世間では賞賛され、持てはやされます。そして、その歯止めが利かなくなり、法律に触れるか触れないか、ぎりぎりの商法や手段が用いられる様になります。相場に於いても、短期間に大幅な利益を得る仕手株にのめり込んで、小さな儲けと大きな損を繰り返し、相場道を踏み外す人が少なくありません。

日本経済のバブルも、この考えの延長線上に構築されました。その結果、十数年以上経った現在もその後遺症が続き、国民がそのツケを払わなければならない現状になっています。斬新さ、意外性、奇抜さは進歩発展に欠かせないものですが、そればかりを求め続ける余り、当たり前の事が当り前に出来なくなっているのが今の時代とも言えます。

又、奇抜な一発勝負は、その場限りの労力で完成するかも知れません。しかし当たり前の事を当たり前にして成功するには、継続と言う行為を欠かす事が出来ません。相場に参戦する人の中には、その努力はしたくないが儲けたいと言う人が少なくありません。事実、勉強も努力もせず、相場の女神に魅入られて、楽々と大儲けをする人が出るのも、相場世界の魔力です。瞬間に現れ、瞬間に消え去る投資家ではなく、継続した勝利者となるのは、周りに惑わされず、しっかりと土台を築いた人だけと言っても過言ではありません。

人は、それぞれ相場に参加する為のルールを定めて資金を投資します。そのルールも投資家の数と同じだけ存在しますが、共通するものとして、例えば次の様な条件が挙げられます。 余裕資金で買う・ 安い処で買って 高い処で売る・ 定めたロスカットを守る・ よく知らない銘柄は買わない・ 不安に思う株は買わない・ 間違ったと感じたら売る、等など。またそれに加えて建て玉の方法やテクニカル技術などが加わります。

相場に限らず、物を購入する時に、その商品の本当の価値を知らずに買えば、法外な値段を払わされる事にもなりかねません。これを避けるには、その商品の本当の価値を知る必要があります。相場に於いても投資銘柄をよく調べ、その銘柄の「実体価格」以上では決して買わない、と言う基本を守らねばなりません。

そして季節外れの商品には思わぬ安値があったり、又反対に季節外れの果物などは高値になる事が常となります。そんなリスクを避けるには、その銘柄の「旬」を逃がさない事が大切です。また入荷が多い時は安く品薄時には高くなります。そのリズム(周期)は投資に取って欠く事が出来ないものとなります。その為には継続した値段の記録が必要となります、毎日の終値と出来高を継続して記録するもので、「場帳」と言いますが、これは投資家にとってなくてはならない道具です。

また傾向や大きな期間の値動きを確認するのに、株価グラフがあります。グラフで全てを判断する事は避けなければなりませんが、グラフを無視する事にも危険が潜んでいます。グラフを継続して描き続けるとき、その中に「足」が訴える兆候を発見する事ができます。「チャート分析」や「罫線の見方」などに付いても多くの出版物が出回っています。しかし自分で足を引き続ける事が、遠回りであっても、本当の「兆し」を発見する目を養う事が出来る様になります。

もう一つ銘柄の実体を知る為の道具として、「企業情報」があります。業績が極端に悪い銘柄は倒産と言う事態が発生するかも知れません。昨今は有配で増益の銘柄が倒産したり、不透明な時代です。その為にも企業情報は瞬間を見るのではなく継続した周期と変化を通して真実を見極めなければなりません。この企業の推移変化を見るのも大切な仕事と言わねばなりません。

そして最後に これを忘れてはいくら熱心に勉強をしても、結果は敗北となってしまいます。それは投資資金の資金配分です。それに伴って、会社の経理帳票にあたる「建て玉帳」「値板帳」が必要となります。収入以上の生活を続けた人は必ず破綻します。自分の売買がどんな状況に在るかは絶えず確認しなければなりません。不慮の備えを怠った人は、思わぬ災害に再起不能となってしまいます。相場には「上り坂」「下り坂」と、思いもしなかった「まさか」の坂がある事を決して忘れない事が大切です。

これらの事は相場に参加する者なら常識であり、誰もが知っていると言われる方も多いと思います。しかし誰もが知っている当然の事を行えない人が多いのも事実です。最初は基本を忠実に守りつつ建て玉しますが、次第に例外と特例を設けるようになり、傲慢な道を選択していまいます。正しい基本を継続し続ける事の難しさがそこにあります。当たり前の事を当たり前に行う事、これが勝敗の分かれ道となりそうです。


ある人間国宝がインタビューで語っていました。

彼は不器用でのろまな人間でした。師匠の門を叩いた時も劣等生でした。弟子は沢山いましたが、みんな器用でよく出来る人ばかりでした。そんな中で、師匠から大目玉を食らうのはいつも彼でした。「のろま」「ぐず」と罵られ、「お前のおかげて俺達までが迷惑する」と仲間からもいじめられました。

後から入ってきた弟子達も、次々と上達し、彼を追い越して行きました。楽な仕事は決してさせて貰えず、面倒な基礎行程ばかりをさせられる毎日でした。やがて一人二人と弟子達が独立して行きます。その人達が陰で話す言葉は「私はもう師匠を超えた」「もう師匠から学ぶ事はない」でした。

「くず」で「のろま」な彼は独立も出来ず、下積みの作業を継続するしかありませんでした。しかし気が付いて見ると、「師をこえた」と豪語して出ていった弟子達は消えてしまい、人間国宝に選ばれたのは、落ちこぼれと言われ続けた彼でした。

「継続」の中には何かがあるようです。

相場に於いても、それを職業とする限り、努力と継続は欠かせません。その中でも基礎の部分(土台)を固める人は、相場の雨風や嵐にも崩れる事はありません。この世界に身を置く限り、突風や嵐を避けて通れません。環境はどんな人にも同じ様に襲いかかります。しかし土台が岩の様にしっかり人は、嵐と言う環境が過ぎたとき、しっかりと残り、そうでない人は、跡形もなく消えて無くなってしまいます。

相場で生きのびる 七つの掟(無尽蔵)

1 余り多くの銘柄を売買しない。
2 投資対象銘柄をよく知る。
3 値動きとリズムを把握する。
4 売買の時期を選ぶ
5 資金管理を徹底する。
6 日常生活の全てを健康に保つ。
7 熱くならない。

(いずれ機会があれば掟の詳細を述べたいと思います)



 



神様の知恵袋はこちら