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  (No.11)

自らを制し治める人
当たり前の事を行う
失敗を肥やしにする
信じ切ること
言葉は命をもつ
自らの場所を知る
知恵は生かすもの
本物を見る
感謝は成功を生む

継続は勝利のもと
生きて働くことば
兆しを捉える
本当の価値とは
勝利者の共通点
心のゆとり
変化をつかむ
危機管理
賜物を活かし用いる



生きて働くことば

 



2000年シドニーオリンピックが、熱く燃え話題になりました。どの選手も、メダルを目指して命懸けの練習を積み重ね競技に参加しています。優劣を付けがたい技術を持ちながら本番に力を出し切れない選手や予期しないミスでメダルを失う選手もいました。

マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手は小出監督のもと、「抜かりのない」綿密な計画と、監督の言葉によって世界を制覇し、勝利を獲得出来ました。「君には出来る」「ここが良かった」「これを越えたら必ず勝てる」と具体的に成長ポイントを誉め、選手の秘められた能力を引き出しました。

「どんな選手も粗末にしてはいけません」
「駄目な選手などいません」
「だれもが、磨けば光るダイヤの原石です」
「使い物にならないと思った選手さえ、かつてアンカーで全国優勝を手にしました」 これが小出監督のことばでした。

彼の勝利者育成の素は
@創意工夫が出発点。
 全てはこれから始まります。些細な事も徹底した事前調査でその全てを知り尽くす。 勝つ為に小さな事も見落とさずメモを取る。(両親の体型まで調べたりしました)

 コースや競合選手は勿論、視界や道ばたの小石に至るまで徹底して調べます。 すべてに「抜かりがない」、これに尽きます。

Aリラックスさせ、心を解放する。
  練習中も笑い声を絶やさないこと。 過酷なつらい練習をも楽しむ余裕をもち、互いの信頼関係を築く。

B人によって十人十色、変化自在に行動する。
  全てをよく観察し、多重人格者のように、相手によって対応を変えます。 高橋選手には「とにかく誉める」、有森選手には「有森先生」と呼ぶなど・・。

C大化けの方程式
 夢を与えその気にさせる「誉めことば」の方程式を使います。
 「誉めことば」は苦難を糧に変え挫折を乗り越える力となります。

非常識とも思える、高地3500メートルでの過酷な訓練。それを通して自信を持たせ、世界一の勝利に導いたのは、相手を知り尽くす「創意工夫」と、秘められた力を引き出す、監督の「誉め言葉」でした。

小出監督の事を「親でも 友達でも恋人でもない、いつも身近な存在」と、世界一に変身した高橋尚子選手に言わせた彼の最大の武器は、「前向き肯定的なことば」でした。彼と出会い、「オリンピック」と言う夢の原点の言葉に目覚め、見事に変身した選手が何人もいることを見逃せません。


私達が関わる相場の世界でも、勝利者になるには同じ事が言えます。創意工夫を怠り、巷の情報に付和雷同していては入賞は愚か完走すら果たせません。徹底した調査で対象銘柄を知り尽くす事から始まります。

また動きをよく観察し、「売建て」「買建て」、それとも「サヤ」を取るなど、柔軟な考えで、些細な事にも「抜かりのない」分析と状況判断が必要です。必要な情報とそうでない情報を見分ける知恵も大切です。

相場は多数の損をする人と少数の儲ける人によって形成されています。もし多数に属する人が、少数に属する人へと変身するには、過去の損失売買を徹底して分析し、損の素を捨てる必要があります。

失敗を成功へ変える最初の一歩はリスク管理から始まります。リスクの回避は短期的に利益率を下げますが、最後まで生き抜くには無視出来ない条件となります。

一つの例ですが、同業種や同一銘柄に集中投資すれば危険が大きい事は誰もが理解できます。一般的には数業種、数銘柄に分散投資が考えられます。しかし売買法が同じでは、同じ危険に遭遇する可能性は避けられません。

そこで多業種、多銘柄への分散投資と同時に投資方法(売買法)をも分散することが更にリスクを軽減する事となります。勿論、併せてロスカットを設定する事も忘れてはなりません。

また額面近くや額面割れ銘柄は、大きな利益を得る可能性がある反面、非常にリスクが伴います。これらの銘柄へは元資金の投入は避けなければなりません。リスクの大きい銘柄への投資は、売買から得た「利益の一部」以外は決して資金を振り向けない。これも相場を生きる知恵の一つとなります。

又もう一つ大切な事は、家族や身内に争いやもめ事がない事です。勝敗の分かれ道は、家族の絆にあると言っても過言ではありません。異性関係で夫婦間に亀裂がある家庭は必ず崩壊し仕事の成功も望めません。そればかりが、二代・三代先までその影響が残ることもあります。全てを清算し、「和解」を通して初めてスタートラインと言えます。


赤字企業から優良企業へ
儲からない投資家から儲ける投資家へ
人生の敗北者から人生の勝利者へ
色黒から色白へ

今の世の中、企業は勿論、誰もが変身願望を持っています。ただ「目立ちたい」と言うだけのものから、真剣に「良くなりたい」「改革したい」と望むものまで様々です。企業が変身するには、「ニーズ」と、「資金」「人材」「技術」それに「構想」が必要となります。またそれに伴って「相応のリスク」を覚悟せねばなりません。

しかし私たち自身が変身するには、「少しの努力」と「心の思いを変える」だけで大きく変わる事が出来ます。「心」はその人全体の支配者であり経営者です。心が変われば全てが新しくなります。

人は変身願望を持ちながら、自らの経営権を離しません。懸命に努力し、改革や上達を望むのに達成出来ないのはこのためです。外見や見栄えをいくら装っても、心を支配する古い経営者の思いが言葉となって口から出るからです。

一度口を出た言葉は永遠に働き続けます。何十年も経過し、語った人が忘れてしまっても、口を離れた言葉は人の心から心へと生きて影響を与え続けます。

「お前は何をさせても失敗ばかりだ」と言われ続けて育つと、その人は本当に失敗を重ねる人生を歩んでしまいます。相場で失敗し、家訓も「相場には手を出すな」と言う家庭で育った人は、その言葉が生きている限り、相場で継続した成功は難しくなります。

それでは、過去に語られた言葉を無効にするには一体どうすれば良いのでしょうか。それは語られた言葉に向かって「・・・と語った言葉を取り消す」と、口で告白し宣言することです。そしてその上に、新しいことばを語り続けることが必要です。

新しい「肯定的なことば」は過去の「否定的な言葉」を打ち消し、新しい環境と現実を創り始めます。言葉の魔法は、人を生かす力も、殺す力も持っています。悪く用いれば、人心を惑わし滅びと絶望に導きますが、正しく用いれば「積み重ねた努力」に「奇跡」と言う人知を越えた力が加わります。


吹雪の夜、一人の人が夢をみました。
彼はいつも「ことば」で失敗し、人を傷付けたり憎まれたりしていました。「言った本人が忘れている様な些細なことばで、あの人はなぜ根に持つのだろう。」 彼には理解出来ませんでした。

彼は答えを求めて「ことばの館」の老人を訪ねました。
老人は彼に言いました。

「ことばはどんなものか教えてあげよう」
「ここに小鳥の羽根がある。」
「これをあなたが語った人の家に行き、門の前に置いて来なさい。」

夢の中、彼は夜道を歩き、その人の家の門に、老人から手渡された羽根を置きました。何故こんなつまらない事をさせるのか、と思いつつ老人のもとへ帰りました。

「言われた通り、羽根を門に置いてきました。」

老人はまた彼に言いました。
「それでは、今からもう一度その家に行き、門に置いた羽根を取って来なさい。」

「どうして、いま置いてきたものを又取りに行かせるのですか。」

「いいから、取って来なさい」

夢の中で、老人に逆らう事が出来なかった彼は、風が出てきた夜道を、羽毛を置いた門に着きました。

しかし置いたはずの羽根は見あたりません。
「こんなに風が出できたのに、あるわけはない。」
腹立たしげに言って、老人のもとに引き返しました。

「羽根を持って帰りましたか。」

「ご老人、こんなに風が吹いているのです。見つかる訳がないでしょう。」「何処かに飛んで行って、もうありませんでした。」

そこで老人は彼に言いました。

「ことばとは、この羽根のようなものです。」
「語った言葉は、その場からすぐに消え、語った人でさえそれを見失ってしまいます。」

「一旦、人の耳に置いた言葉は、けっして取り戻す事は出来ません。」「これからは、ことばを選び、取り戻す必要のない良いことばを語りなさい。」

彼は目覚めました。夢から・・・、そして 安易なことばから・・・。


相場に関わらず、成功を手にするには、研鑽や努力、そして訓練が必要です。しかし、積み重ねた「研究」や「努力」がただの「労苦」に終わるか、「成果」となって実を結ぶか、「ことばの用い方」がその分かれ道となるようです。




 



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