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  (No.13)

自らを制し治める人
当たり前の事を行う
失敗を肥やしにする
信じ切ること
言葉は命をもつ
自らの場所を知る
知恵は生かすもの
本物を見る
感謝は成功を生む

継続は勝利のもと
生きて働くことば
兆しを捉える
本当の価値とは
勝利者の共通点
心のゆとり
変化をつかむ
危機管理
賜物を活かし用いる



本当の価値とは

 



20世紀が終わり私達は一つの区切りを越えて新しい世紀を迎えました。世の中は益々便利になりお金さえ有れば全ての制約を超えて、更に快適な生活を手に出来ると錯覚する時代となりました。

また私達の周りに存在するもの全てが 金銭で価値が判断されるのが現代です。高価なものに価値があり、安価なものは価値が小さいと判断されます。ものだけではなくアイディアや知恵、それに決して計るこ事が出来ない 人の「命」や「心」までが当たり前の様に金銭で計られてしまいます。

人が生かされ命を受けている「地球」と言う星を見るとき、本当の価値があるものは全て無代価で与えられています。生きるに適した気温と呼吸の出来る環境をはじめ、富む人にも貧しい人にも 光(太陽)を与え、風(空気)と雨(水)が与えられています。また地位や権力の有無に関わらず相応しい「寿命」が与えられ、人はそれを支配する事すら出来ません。

本当に大切なもの、命の源となるものは「タダ」が基本である事を悟らなければなりません。またそれらには人が関われないサイクル(周期)やステップ(段階)と言う「区切り」が存在し、その区切りの中にも小さな始まりがあり、終わりがあります。

これらの「タダ」で与えらているものを曲げたり隠そうとしても、決して最後まで旨くゆく事はありません。悪事が露見する様に、人によって隠されたものは必ず現れてくるからです。春の訪れを 「まだ冬だ」と言い張っても春は確実に表に現れます。秋の気配を幾ら隠しても木々は色づき実は次の世代を育みます。

万物が自然の区切りに従うように、私達も区切りを無視しては大きな可能性を失う事になってしまいます。人も幼年・少年・青年・成人と、人生の区切りを越えて成長します。幼児期に人として正しい教育を受けなかった人は、後の人生に大きな悔いを残す事が少なくありません。その区切りに相応しい「行為・行動」が全ての成否を分ける事になります。


相場に於いても「区切り」が大切です。「売却しなければ実損はない」と、評価損が解消するまで何年も玉を持つ事は良い結果を招きません。ロスカットと併せて全ての建て玉をゼロにする。この「区切り」と言う知恵と反省の時が、今まで見えなかったものを鮮っきり見えるようにしてくれます。

また相場を継続するには建て玉期間を出来るだけ短くする、これも重要なポイントになります。過去には買って持続さえすれば大きな利益になった時期もありました。しかしそれは本来の姿ではありません。上昇から下降・下降から上昇へと、生きた相場のリズムと言う「区切り」を見失わない売買が大切になります。

区切りをつける一例として
■個別銘柄に予定利益がでたら決済する。
■個別銘柄のサイクル(周期)が反転したら決済する。
■建て玉全体が大きな利益になった時は迷わず区切り(建て玉ゼロ)をつける。
■定めた期間以上の継続玉を持たない。
■年末や期末など定めた時期に区切り(建て玉ゼロ)をつける。

また有料で販売される「銘柄情報」や「投資情報」を参考にするのも無駄とは言えないかも知れません。しかし「タダ」で備えられている基本情報を無視する事は大きな間違いを犯す事になります。日々発表される株価や発行株比出来高、信用残の増減、企業開示情報など、自然の中に銘柄固有の変化と言う区切りが現れます。

時として、「タダ」の情報が高価な「銘柄情報」を越える事が少なくありません。また長期間継続した利益を求める場合は基本に徹する事が本当の勝利を得ると言っても過言ではありません。「タダ」の情報には価格を付けられないほど高価な価値を秘めているものです。


キリスト教布教のため、ローマから若い宣教師が南太平洋の小さな島に派遣されました。その島に着いた彼が最初に目にしたのは 海岸にたたずむ一人の老人でした。嘗て老人には息子家族と共に島一番の「真珠採り」の名人一家と言われていました。

しかし潮の流れが変わる日に老人は息子夫婦を海で亡くしてしまいました。そのときから、老人は海を捨て、残された孫の成長だけを願い貧しい暮らしをしていました。

少年も大きくなる連れ、自分のお父さんは島一番の「真珠採りの名人」だった事を知り、「いつか僕もお父さんのような真珠採りの名人になるんだ」と心に決めていました。

そして海に潜れる歳を迎えた彼は、「きっと立派な真珠貝を採ってお爺さんに楽をさせて上げるよ」と言い残し、潮が変わる深みの更に奥へと潜りました。しかし少年は潜ったまま上がって来ませんでした。

数日後岩場に少年の死体が打ち上げられ、親子二代の不幸を目にした島の住人は、気の毒な老人を 慰める術も見つかりませんでした。よく見ると少年の口には大きな真珠貝がくわえられていました。中を開いてみると、目を疑うほど見事な真珠が入っていました。

息子夫婦、それに大切な孫まで失った老人は、自らを責め苛み生きる望みを失ってしまいました。彼の唯一の拠り所は、少年の命を代価として手にした真珠でした。いつも肌身離さず彼の大切な宝物でした。

真珠の評判を聞き、世界各地から業者が老人を訪ねますが、彼は決して手放そうとはしませんでした。その真珠は彼に取って命以上のものだったのです。


事情を知った宣教師は、老人に神様の慰めと救いがにあるようにと毎日訪問し、彼を助け励まし続けました。多くの年月と心のこもった親切に老人は心を開きました。

ある日老人は宣教師を呼んで言いました。
「私の命はそう長くはない。今まで本当に親切にしてくれて有り難う。」
「ここに私の命よりも大切な真珠があります。どうかこれを受け取って下さい。」

宣教師はびっくりしました。島を二つ三つ買える程の真珠をタダで貰う訳にはいかないと思いました。しかし老人は、「あなただから差し上げるのです、貰って下さい。」と聞きません。

宣教師は困りましたが、断り切れずに真珠を貰う事にしました。しかしタダでは気が済まないので、少しですがせめて私の蓄えでもと 彼の全財産の預金を差し出しました。

すると老人は血相を変えて怒りました。
「この真珠は私の孫の命を代価として払ったものです。」
「お金では払いきれないものを払っているのです。お金を貰ってあげる訳にはゆきません。」

宣教師は老人の言葉によってお金で払えない本当の価値を知りました。宣教師も又、神様の一人子 「イエスキリストの十字架の死(※)」という代価を払って救われた聖徒である事を思い出しました。

そして、宣教師は老人に言いました。
「あなたの仰ることがよく分かりました。」

「私もイエスキリストの命と引き替えに神様の救いを貰いました。」
「この救いを是非あなたに貰って頂きたいと願っています。」
「しかしこれは私も決してお金で売る事は出来ない宝ものです。」

老人は「永遠の命」と言う神の救いを宣教師を通して受け取りました。聖書に書かれた「主イエスを信じなさい、そうすればあなたも、あなたの家族も救われます」と言う神の約束を信じて、安らかに天に召されました。


バブル時には価値のない高価な投資情報が大勢の人生を狂わせ、命まで失わせる事がありました。上昇相場の中に在りながら大損を経験したり、高い授業料を払った人が少なくありません。全てとは言えませんが、投資顧問業者や闇レポートに走る事は大きな危険を招いてしまいます。

本当に宝を掘り当てた人はその地を絶対に人に教える事はしません。それと同じように、確実に利益になるなら、決して他人に販売せず自ら使用するのが本当です。私たちも価格の付いた「価値のない情報」を探すより、価格を付ける事ができない「高価な情報」を求め、相場と人生の区切りを越えて勝利したいものです。



(※)十字架の死:〔キリスト教の救い〕
天地万物は神が創造され人も神によってつくられました。神に反逆した御使いサタンに誘惑され神に対して罪を犯した人は神の守りの御手「エデンの園」を追放され、自らの労苦で糧を得なければならなくなりました。

その罪を購うため神はご自身の御子イエス様を地におくり、十字架にかけ神ご自身との和解の生け贄とされました。それを信じて告白する者が神の子とされ天国を相続する者となります。イエスの十字架を信じる信仰によって初めてクリスチャンとなります。




 



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