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  (No.14)

自らを制し治める人
当たり前の事を行う
失敗を肥やしにする
信じ切ること
言葉は命をもつ
自らの場所を知る
知恵は生かすもの
本物を見る
感謝は成功を生む

継続は勝利のもと
生きて働くことば
兆しを捉える
本当の価値とは
勝利者の共通点
心のゆとり
変化をつかむ
危機管理
賜物を活かし用いる



勝利者の共通点

 



私達の周りには些細な事、どちらでも良いと思える事が沢山あります。これ位なら大丈夫と、つい見過ごしてしまう事が少なくありません。車に乗っても、慣れや感覚に頼りチョットした無理が事故を招いてしまう事もあります。また自分さえ良ければと、身勝手なゴミの不法投棄が後を絶ちません。

その結果 治療費や修理代 それに大切な時間を無駄にしてしまいます。それに後始末に多額の税金が使われ、自らその「代価を払う」と言う大きな損失を招く事になります。

だれも不利益や犠牲を負う事は好みません。しかし目先の利益や面倒を避け、つい都合の良い勝手な判断で 安易に「楽な道」を選んでしまうのが私達です。少しの犠牲や手間を惜しんだが故に大きな悔いを残す事が少なくありません。

ハワイ沖での米原子力潜水艦とえひめ丸の衝突事故も、安全の確認と言う当たり前の作業を怠った事で大きな惨事を招きました。「小さな手間を省かない」 これは勝利を継続する人が決して外さない共通したポイントと言えます。些細な事の中にこそ勝利に変える約束手形が隠されていると言えます。

忍耐と根気が必要な子育ても、小さな積み重ねがその将来を大きく左右します。子どもの目を見つめ 最後まで話を聞く父親、団欒のなか 膝を交えて絵本を読んで聞かせる母親。その犠牲と手間を通して子どもの心に夢が育まれ、人の言葉をしっかり聞く能力が培われます。また自分の意見を鮮っきり言える人格を作り、ふれ合いの中で相手の人格を認める心の広さが養われます。

それぞれの結果には、そう成るべくして成る共通した通過点を見る事が出来ます。小さな手間や犠牲を惜しまない人には 失敗や敗北は近寄る事が出来ません。また相手を生かす、大きな犠牲を払う人には、それに相応しい収穫と報酬が用意されています。


家庭用VTRが初めて世に出た時代のことです。その分野でソニーが独走していた当時、業績悪の中、会社の存亡が危ぶまれていたビクターが、VHS規格を開発しました。それもリストラ寸前の技術者達の手によるものでした。

VHS試作機は親会社の松下幸之助氏に「ソニーのベータは100点に値する、しかしのVHSは150点だ」と言わせるほどのものでした。しかし驚異の新製品もソニーに対抗出来る力はビクターにありませんでした。それ程 ソニーの基盤は強固でした。

ビクターが生き残るにはVHSがソニーを越えて認められる事以外にありませんでした。長期間 汗と涙にまみれ、血のにじむ思いで開発した技術とノウハウは誰にも教えたくない、自社が独占したいと考えるのは誰もが同じです。

しかしビクターは蓄積した技術やノウハウと共に試作機までを、ライバル企業に無条件で貸し出すと言う、一見不条理にも思える「大きな犠牲」の道を選択しました。

技術と試作機を提供された多くの会社が驚きました。ビクターに感謝し共同して技術の向上に努める事になりました。そして各社が開発した独自の技術をビクターのVHSにも搭載しました。その結果VHSの性能が更に磨かれ、誰もが 決して崩れる事はないと確信していたソニーの牙城を砕き、世界基準と言う勝利の栄冠を獲得する事が出来ました。

それと併せて 誰一人リストラする事なく ビクターVHSの素晴らしい再生画質と共に、事業の見事な再生をも果たしました。


子どものクイズに こんなものがあります。
「にわとりが先か? 卵が先か?」

私達は「与えるから 与えられるのか? 与えられるから 与えるのか?」 考えて見る価値があります。何事にも順序があり、これを無視すると堂々巡りになってしまいます。

ほんとうの勝利を手にする方法はやはり
 ・「与えること、犠牲すること」
 ・「小さな手間を惜しまず継続する」、これが先ず最初のようです。

どんな環境の中でも「犠牲を惜しまず」「些細な事を手を抜かない」と言うポイントを通る人には、人の努力を越えた「奇跡の力」が加わります。環境が悪い、状況が悪いと批判を繰り返しても良い結果は現れません。暗い中にも手を抜かず、自ら犠牲の灯りを点すとき、成功に続く細い道を発見する事になります。

相場に於いても上昇する銘柄が必ず通るポイントがあり、下落するにも共通する通り道があります。顕著に現れるのが出来高ですが、実体から大きく乖離したり、本業利益の変動などにも見い出す事ができます。その他にも色々な共通点が現れますが、動く前の兆しと、高値の異常には細心の注意を払う事が大切です。急浮上で怪我をするのは潜水艦だけではありません。


■相場で傷付かない防具は、小さな事を継続する中にあるようです。
・日頃から危機管理を怠らない。
・異常な状態を見逃さない。
・対処は機敏に、問題を持ち越さない。
・資金配分を怠らず万一の許容範囲を守る。
・結果を急がず、決して無理をしない(次のチャンスを待つ余裕)。
・失敗は記録し同じ過ちは犯さない。



アメリカでのお話です。

ある一人の少年が、今年も父親に連れられてバス釣りに出かけました。バス解禁日前夜に湖に着いた親子は、早速準備にかかりました、解禁まであと2時間足らずです。

少年はそれまで、他の魚を釣ろうと湖に竿を入れました。この半年、少年は何度も抱えきれない様な大きな魚が彼の竿に掛かる夢をみました。その事が今日現実になる事を願い、昨夜は一睡もする事が出来ませんでした。

興奮を押さえて湖面を見つめいてるとき、少年の竿が激しく引き大きくしなりました。彼は大声で父親を呼び、引き上げるのに助けを求めました。引き上げて見ると、それは少年が何度も夢に見た以上の、りっぱなバスが掛かっていました。

少年は天にも昇る喜びで父親の顔を見ました。しかし父親は少年を見つめ、首を横に振りました、時計は解禁の1時間まえを指していました。

少年は父親を懇願する様な眼差しで見つめましたが、父は首を横に振ったきり何も言いませんでした。

少年は悲しくなりました。
やっと涙をこらえ彼はその魚を湖に放ってやりました。

その後少年は大きくなり有名な建築家となりました。

彼は建築家となってもバス釣りは続けていましたが、この時までかつて彼が父親と一緒に釣り上げた、あの大きなバスには一度も巡り会う事はありませんでした。

しかし彼の人生の中で、あの大きなバスを釣り上げた時の状況には何度も出会いました。その都度彼の脳裏に父親の顔が思い浮かび、彼の選択すべき「人生の道」を示してくれました。


解禁まで僅か1時間、誰に迷惑が掛かるわけでもなく 人目もありません。黙っていれば済む事です。しかしその些細な事が彼の人生の大きな「道しるべ」となりました。

事業や人生の勝利者には勝利を得る為の共通点があり、敗北者にはそれに至る通過点があります。成功も失敗も その殆どが些細な事、小さな事が原因となる事が少なくありません。「これくらいは」「今回だけ」「今度こそ」「皆んながしている」など失敗を招く「楽な抜け道」を避け、小さな事の継続と言う 遠回りに見える「近道」を選ぶ決断が必要です。

これが相場は勿論の事、後継者の育成や 一度しかない人生に悔いを残さない為の大切な知恵となります。将来の成否の分かれ道に立つ「小さな道しるべ」を見落とさないよう心したいものです。


■蛇足ながら「卵が先かニワトリが先か」の正解は:
もちろんニワトリが先です。神がニワトリを創りそのニワトリが卵を産むようになりました。




 



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